![]() 腫瘍性疾患を治療するための組成物および方法
专利摘要:
本発明は、免疫刺激組成物、特にムラミールジペプチドの微粒子形態にある組成物、ならびに腫瘍性疾患の治療におけるその使用に関する。 公开号:JP2011516471A 申请号:JP2011502885 申请日:2009-04-01 公开日:2011-05-26 发明作者:ギリアン・アリソン・ウェブスター;フランク・ビー・ゲルダー 申请人:イネイト・セラピューティクス・リミテッド; IPC主号:A61K38-00
专利说明:
[0001] 本発明は、一般に免疫刺激剤、特に、腫瘍性疾患の治療におけるムラミールジペプチド微粒子の形態にある免疫刺激剤の使用に関する。] [0002] 本発明は、第一に腫瘍性疾患の治療としての使用のために開発され、本出願に関連して以降に記載される。しかし、この使用の特定の分野に本発明を限定すると理解されるものではない。] 背景技術 [0003] 本明細書における先行技術の記載のいずれも、そのような先行技術が、広く知られており、当該分野の一般的な技術常識の一部を形成すると考えられるものでは全くない。] [0004] 腫瘍性疾患または癌は、一般的に異常細胞が制御されないで増殖する傾向があり、転移するかもしれない一群の疾患である。ほぼ全ての癌は、形質転換細胞の遺伝学的物質における異常に起因する。これらの異常は、タバコの煙、電離放射線、化学物質または伝染性薬剤のような発癌性物質の効果によるものであってよい。他の癌促進性の遺伝学的異常は、DNA複製におけるエラーによりランダムに獲得されたものであってよく、あるいは出生時から全ての細胞に存在するものである。] [0005] 現在の癌の治療レジームは、手術、化学治療、放射線治療、免疫治療、モノクローナル抗体治療または他の方法のうちの一つ以上を含む。治療の選択は、腫瘍の部位およびグレード、ならびに疾患のステージ、ならびに患者の全般的な健康状態に依存する。] [0006] 上記治療レジームの究極的な目的は、身体の残りの部分にダメージを与えないで、癌を完全に除去することである。しばしばこれは、手術によって達成されるが、微視的転移により近接組織に侵入する、または離れた部位に拡散する癌の性向により、効果がしばしば制限される。化学治療はしばしば、身体の他の組織に対する毒性により制限され、放射線治療もまた正常組織に対するダメージを引き起こす可能性がある。] [0007] 免疫刺激化合物による固有の抗腫瘍メカニズムの相乗作用は、腫瘍性疾患を治療する治療アプローチに臨床的に関連する。NKおよびLAK細胞が腫瘍細胞監視および破壊に中心的役割を果たす一方、NKT、単球/マクロファージ、および樹状細胞小集団のような他の固有の免疫細胞小集団は、固有の抗腫瘍応答のさらなる非重複の力を表す。ともに、これらの細胞小集団は、顆粒関連グランザイム(granzyme)およびパーフォリン(perforin)介在殺傷、ならびにFasL、TRAILおよび腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)介在経路のような分泌メカニズムを含む、複数のメカニズムにより、腫瘍標的を殺傷することが知られている。] [0008] 免疫刺激剤によるそのような細胞小集団の相乗作用は、非侵襲性であり、かつ実質的に現在の治療レジームより毒性が低い、腫瘍性疾患の治療における使用のための、有効な単独または複合治療を提供するであろう。] [0009] 以前に出願人は、豪州特許番号第732809号およびニュージーランド特許出願番号第555582号において、それぞれHIVおよび炭疽(Anthrax)を治療するためのムラミールジペプチド微粒子の形態のある免疫刺激剤を開示した。しかし出願人は、驚くべきかつ予想されなかったことに、ムラミールジペプチド微粒子が腫瘍性疾患の治療において有用であることを発見した。] [0010] 本発明の目的は、先行技術の不利益の少なくとも一つを克服または改善しすること、あるいは有用な代替物を提供することである。] 先行技術 [0011] 豪州特許番号第732809号 ニュージーランド特許出願番号第555582号] 発明が解決しようとする課題 [0012] 本発明は、微粒子中に架橋したムラミールジペプチド(MDP-微粒子)が、免疫刺激核酸モチーフを含むという驚くべき観察に部分的に基づき、それにより、本明細書に記載されるように、MDP-微粒子が、広範囲の固有の抗腫瘍免疫応答の中心である複数の異なる免疫細胞小集団を活性化することができることもまた観察されることが説明されるであろう。以後、核酸モチーフを含むMDP-微粒子を、「MDP/DNA-微粒子」と称する。] [0013] さらに、MDP/DNA-微粒子を、固有の抗腫瘍免疫応答を上昇させることができる一つ以上の付加リガンドで官能化してよい。] 課題を解決するための手段 [0014] そして、本発明の第一の態様により、腫瘍性疾患の治療を必要とする被験者に、有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む腫瘍性疾患の治療方法が提供される。] [0015] 固有の抗腫瘍免疫応答の効果を上昇させるために、MDP/DNA-微粒子を、腫瘍細胞損傷および/または破壊を中和するために有効な、特異的な免疫細胞を刺激することができる微粒子に結合している、または共投与される少なくとも一つの免疫刺激性リガンドと組み合わせてもよい。適切なリガンドを、TLR1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、NOD-1、NOD-2などを含む、記載された病原体分子パターン認識レセプターの既知のリガンドから選択してよい。他の有用な固有の免疫刺激性レセプターは、当業者に公知であり、当業者はそれらを容易に同定することができる。] [0016] 好ましくは、免疫刺激性リガンドは、MDP/DNA-微粒子の表面上、またはMDP/DNA-微粒子内に架橋されている。] [0017] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子はそれ自体、インターロイキン−2(IL-2)と重複した免疫刺激プロフィールを有する。これは、IL-2は腎細胞癌、膀胱癌、メラノーマ、リンパ腫および複数の白血病に対する臨床上活性を有することが示すされているため、有利である。これは、腫瘍性疾患の治療において、MDP/DNA-微粒子を、毒性の低いIL-2の投与量を伴う付加的治療に使用してよいため、有利である。] [0018] MDP/DNA-微粒子はまた、インターフェロン−ガンマ(IFNγ)、IL-12、IFN-αおよびTNFαのような抗腫瘍サイトカインの生成も刺激する点で有利である。] [0019] さらに、MDP/DNA-微粒子は、GM-CSF、IL-7およびIL-3のような、免疫細胞補充および機能的再構成を補助するサイトカインおよび増殖因子の生成を刺激する点で有利である。これは、放射線治療または化学治療と併用してMDP/DNA-微粒子を使用して、そのような抗腫瘍治療に関連する骨髄抑制および白血球減少に対抗する場合に有利である。] [0020] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、腫瘍抗原の存在下にTh1型細胞性抗腫瘍免疫を生成するに至る、抗原プロセシングおよび抗原提示を誘導する、アジュバント性向を有する。これはさらに、局所腫瘍放射および免疫治療のような、自己腫瘍抗原放出を引き起こす治療と併用してMDP/DNA-微粒子を使用する場合に有利である。] [0021] 本発明の組成物を、例えば乳癌、前立腺癌、結腸癌、膀胱癌、肺癌、皮膚癌(メラノーマ)のような、原発腫瘍において使用してよい。しかし、本発明の組成物は特に、原発腫瘍から発生してよい転移(転移性疾患)の治療に有効である。この点において、原発腫瘍の特性または起源は、MDP/DNA-微粒子組成物の有効正の点で重要ではない。] [0022] そして、腫瘍性疾患を、癌、肉腫、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫または混合型の群より選択してよい。より好ましくは、腫瘍性疾患を、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、中皮腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、扁平上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、肝細胞癌、腎細胞癌、副腎腫、胆管癌、移行上皮癌、絨毛癌、セミノーマ、胚細胞癌、神経膠腫、未分化多形性膠芽腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、悪性髄膜腫、悪性髄膜腫、悪性神経鞘腫、神経線維肉腫、甲状腺癌、甲状腺、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、悪性褐色細胞腫、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、悪性傍神経節腫、メラノーマ、悪性神経鞘腫、メルケル細胞腫瘍、葉状嚢肉腫、髄様癌、ウィルムス腫瘍、未分化胚細胞腫、網膜芽細胞腫および奇形癌から選択される。] [0023] 有利には、MDP/DNA-微粒子を、腫瘍性疾患を治療するための一つ以上の抗腫瘍薬剤と組み合わせた併用治療として使用してよい。この治療形態において、MDP/DNA-微粒子をまた、一つ以上の免疫刺激性リガンドでその表面を官能化してもよい。好ましくは、一つ以上の他の抗腫瘍薬剤は、アルキル化剤、例えばシスプラチン,カルボプラチン、ブスルファン、クロランブシルおよびカルムスチン;抗代謝剤、例えばアザチオプリンおよびメルカプトプリン;アルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシンおよびタキソール;I型またはII型トポイソメラーゼインヒビター;抗生物質、例えばダクチノマイシン、ブレオマイシンおよびドキソルビシン、あるいはホルモン、ならびにサイトカイン、例えばIL-2、IFNγ、GM-CSF、IL-12またはIFNより選択される。] [0024] あるいは、一つ以上の他の抗腫瘍薬剤を、(その表面に免疫刺激性リガンドを結合してまたは結合しないで)MDP/DNA-微粒子とともに併用治療で使用してよい。そのような治療は、同時にまたは順次、抗腫瘍薬剤およびMDP/DNA-微粒子を投与することを含んでよい。順次投与は、分、時間、日または週の適切な時間フレームのいずれかで分けられてよい。] [0025] 上記の抗腫瘍薬剤のリストは網羅的なものではなく、他の抗腫瘍薬剤を、MDP/DNA-微粒子、または1種類以上の免疫刺激性リガンドに結合したMDP/DNA-微粒子と共投与して使用することができると理解されるであろう。] [0026] さらに、MDP/DNA-微粒子を、薬学的に許容可能な担体と配合するであろうことも理解されるであろう。適切な担体および配合物は当業者に公知であり、取得可能な形態、例えば英国薬局方(British Pharmacopoeia)、レミントン(Remington’s)等にある。] [0027] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、ペプシンおよび極端なpHによる処理、ならびに変性条件に抵抗性である。特に、MDP/DNA-微粒子は、a) pH 3.5でペプシン処理、b)周辺温度で1より小さいおよび11より大きいpH、c) 6 M尿素または6 Mグアニジン塩酸中の変性条件、ならびにd)ヌクレアーゼ(DNAアーゼ)活性に抵抗性である。] [0028] 本願発明がいかに作用するかに関していかなる理論に制限されることを望むことなく、出願人は、広範囲の腫瘍を治療するMDP/DNA-微粒子の能力は、MDP/DNA-微粒子が介在する骨髄性樹状細胞および形質細胞様樹状細胞の活性化、ならびに、サイトカイン生成の上昇制御およびレセプター調節を介した、それに続くナチュラルキラー細胞NK/NKT/樹状細胞クロストーク(cross-talk)の結果として生じる、ナチュラルキラー細胞(NK)およびナチュラルキラーT細胞(NKT)の実証可能な活性化に起因すると考える。これは、NKおよびNKT細胞が、固形腫瘍の外科的除去後に特定の腫瘍疾患の転移性拡大を制御する際に役割を果たすことが示されているように、有利である。] [0029] 従って、第二の態様において、本発明は、転移(転移性疾患)の治療を必要とする被験者に、有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者における転移(転移性疾患)の治療方法を提供する。] [0030] これは、転移性疾患が自発的に、または腫瘍の外科的除去後に発症する可能性があるため、有利である。] [0031] 第三の態様によって本発明は、腫瘍性疾患の治療を必要とする被験者に、有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む、腫瘍認識レセプターおよび/または腫瘍免疫原性を制御する方法を提供する。] [0032] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、腫瘍細胞上のMHCクラスIおよび非MHC抗原を上昇制御することにより、腫瘍認識レセプターおよび/または腫瘍免疫原性を制御する。] [0033] 有利には、本発明によるMDP/DNA-微粒子は、潜在的非毒性ワクチンアジュバントであることが示されている。] [0034] 従って、第五の態様において本発明は、腫瘍性疾患の治療を必要とする被験者に、前記ワクチンおよび有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む、抗腫瘍ワクチンの効果を上昇させる方法を提供する。] [0035] 前記ワクチンおよび前記MDP/DNA-微粒子を、同時または順次被験者に投与してよいことが理解されるであろう。] [0036] 好ましくは、抗腫瘍応答を上昇させることができる1種類以上のリガンドを、MDP/DNA-微粒子に共有結合させてよい。] [0037] 第六の態様によると、本発明は、腫瘍性疾患の治療を必要とする被験者に、有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む、腫瘍疾患を有する被験者におけるNKおよび/またはNKT細胞活性を増殖させる方法を提供する。] [0038] MDP/DNA-微粒子は、NKおよび/またはNKT細胞を、直接または間接的に強化してよい。] [0039] 第七の態様によると、本発明は、腫瘍性疾患の治療を必要とする被験者に、有効量のMDP/DNA-微粒子を投与することを含む、腫瘍疾患を有する被験者におけるサイトカイン、ケモカイン、造血因子および骨髄回復因子(myelorestorative factor)、ならびに細胞毒性タンパク質の放出を刺激する方法を提供する。] [0040] 好ましくは、サイトカイン、ケモカイン、および細胞毒性タンパク質は、IL-2、IFNγ、IFNα、GM-CSF、IL-3、IL-7、IL-12p70、TRAIL、TNFαおよび/またはFasLより選択される。] [0041] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、末梢血形質細胞様樹状細胞(pDCs)からのIFNαの分泌を刺激する。] [0042] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、マクロファージ/単球からのIFNαの分泌を刺激する。] [0043] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子は、NK細胞からのIFNαの分泌を刺激する。] [0044] 好ましくは、MDP/DNA-微粒子を、静脈注射する。あるいは、MDP/DNA-微粒子を、他の経路、例えば、経口、腹腔内、筋肉内などの他の経路で投与してよい。] [0045] 適切な腫瘍特異的抗原はまた、腫瘍特異的抗原を刺激し、そしてワクチンとして有用であるために、MDP/DNA-微粒子に結合されていてもよい。適切な抗原は、自己腫瘍細胞、あるいはCEA、CA19-9、CA125、EP-CAM、her-2/neu、メラノーマ抗原、GM2などのような、当業者に公知のものに由来するものより選択されてよい。] [0046] 第八の態様によると、本発明は、腫瘍疾患または転移性疾患を治療するための医薬を製造するための、微粒子中に架橋されるムラミールジペプチドの使用を提供する。] [0047] 本発明の文脈において、「ムラミールジペプチド」の語を、「MDP/DNA-微粒子」および「MIS-416」と互いに交換して使用してよい。図において、「MIS」または「MIS 416」を、MDP/DNA-微粒子を規定するように互いに交換して使用してよい。] [0048] 本明細書において、「抗腫瘍」は、腫瘍細胞の破壊/殺傷の両方、ならびにそれらの成長および/または複製を防止することを包含することが意図される。そして、本発明の組成物の活性は、事実上殺腫瘍または腫瘍静止(tumoristatic)であってよい。] [0049] 「腫瘍性(neoplastic)」、「新生組織形成(neoplasia)」または「腫瘍性疾患(neoplastic disease)」の語は、固形および液性(例えば、白血病)の両方の疾患を記載することが意図され、そのような腫瘍に起因してよい転移(転移性疾患)を含む。] [0050] 本発明の好ましい実施態様を、例示のみのために、以下の添付図面を参照して記載する。] 図面の簡単な説明 [0051] 末梢血単球、形質細胞様樹状細胞および骨髄性樹状細胞による、蛍光標識MDP/DNA-微粒子(MIS)の内部取り込みのグラフ表示である。 ヒト末梢血単核細胞により刺激された、MDP/DNA-微粒子(MIS)による抗腫瘍サイトカインIFNα、TNFαおよびIL-12p70の分泌を示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)誘導IFNαが、特に形質細胞様樹状細胞に関連することを示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の22時間後の単球TNFα生産の誘導を示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激後のヒト末梢血単球(PBMC)NK細胞早期活性化抗原発現の上昇を示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の40時間後の、精製NKおよびNKT細胞によるIFNγ、GM-CSFおよびTNFαの生産を示す。 殺腫瘍量のFAS-L放出の上昇制御に至る、精製NKおよびNKT細胞のMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激を示す。 NK感受性K562およびDU-145、ならびにFAS-L感受性DaudiおよびT47D腫瘍細胞標的に対する、ヒトPBMC自発的殺傷活性の、MDP/DNA-微粒子(MIS)を介在した上昇を示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)で刺激後の、精製ヒトNK自発的殺傷活性の上昇を示す。 MDP/DNA-微粒子(MIS)治療が、転移性乳癌(4T1)および肺癌(Lewis肺)の動物モデルにおける、肺転移の形成を阻害することを示す(*は、対照に対する統計的有意性(P<0.0006);非ペア片側検定を示し、*は、各個の治療に対する有意性を示す (P < 0.0001)。 腫瘍関連抗原を過剰発現する腫瘍を有する動物の、MDP/DNA-微粒子(MIS)治療ワクチン化により、適応性Th1細胞性腫瘍抗原特異的免疫応答が誘導されることを示す。 MDP/DNA-微粒子-OVA抗原免疫接合体(OVA-MIS416接合体)で予防免疫化することにより、OVA-特異的CD8+ T細胞の末梢発現を誘導すること、ならびに続くOVA腫瘍チャレンジに対する増殖免疫の誘導を示す。 PBMCのMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激の結果、造血因子IL-3、GMCSFおよびIL-7が生産されたことを示す。] [0052] 本明細書に記載される本発明の概念は、微粒子中に架橋したムラミールジペプチド(MDP-微粒子)が、おそらく微生物起源のDNA断片を含むという驚くべき観察に部分的に基づき、それにより、本明細書に記載されるように、MDP-微粒子が、広範囲の固有かつ適応性の抗腫瘍免疫応答の中心である複数の異なる免疫細胞小集団を選択的に標的とし、かつ活性化することができるというさらに驚くべき観察が説明されてよい。DNA断片を含むこの新規MDP-微粒子を、本明細書で「MDP/DNA-微粒子」と称する。] [0053] 本発明のMDP/DNA-微粒子組成物は、免疫系の関連組成物を標的とし、かつ活性化して、腫瘍細胞の破壊を補助する際にそれ自体有効である一方、微粒子組成物の効果を、微粒子の表面にカップリングすることができるあるリガンドにより、上昇させ、フォーカスすることができる。] [0054] 免疫刺激化合物による固有の抗腫瘍メカニズムの活性化は、癌治療のためのアプローチとして現在十分に確立している。ナチュラルキラー細胞(NK)は、腫瘍細胞の免疫学的監視および破壊において中心的役割を果たす一方、NKT、骨髄性樹状細胞および形質細胞様樹状細胞、ならびに単球/マクロファージもまた、固有の抗腫瘍免疫のさらなる非重複の力を表す。ともに、これらの細胞小集団は、グランザイム、パーフォリン、Fas-FasL、TRAILおよびTNF-αを含む複数のメカニズムにより、腫瘍標的を殺傷する。直接的抗腫瘍活性を有するほかに、これらの細胞小集団はまた、外因性または内因性腫瘍抗原の存在下において腫瘍特異的自己免疫の進行に至るかもしれない適応性免疫応答も支持する。特定の免疫刺激物に関する別の特徴は、ある範囲の固有かつ適応正の抗腫瘍メカニズム、ならびに放射および免疫治療の有害効果に続く免疫系の再構成を引き起こすそれらの潜在的能力である。腫瘍増殖を含む、免疫系の適応性下部組織の重要性は、動物実験、およびヒトにおける種々の観察に裏付けられている。これらは、免疫抑制に続くある腫瘍の広がりの増大、ならびに、病巣内T細胞が、種々の固形腫瘍における臨床結果の改善に関連することの証左を含む。特に結腸腫瘍において、腫瘍微小環境内におけるCD8+ T細胞の存在は、複数の研究において、有意により良い生存率に相関している。特異的腫瘍関連抗原(TAA)に対するT細胞応答は、結腸直腸癌、メラノーマ、急性骨髄白血病、乳癌、神経芽細胞腫、ならびに頭部癌および頸部癌を含む種々の組織型の腫瘍患者の末梢血において、しばしば検出される。選択した単一の患者からのデータより、末梢、自発的TAA標的T細胞(peripheral, spontaneous TAA-directed T cell)を有する患者における好ましい臨床治療コースが提案される。TAA標的T細胞応答は、おそらく種々のワクチン接種アプローチを使用して誘導される。複数の最近の報告によれば、ワクチン接種によるTAA標的T細胞応答の誘導と臨床治療応答との相関性が発見されている。予備データはまた、アジュバントワクチン接種におけるワクチン誘導T細胞の好ましい臨床効果の可能性も示唆している。] [0055] CEA、Ep-CAM、またはher-2/neuを含むTAAに対する自発的T細胞応答は、結腸直腸癌患者のおよそ25%の末梢血中に示されている。これらの細胞は、抗原誘導IFNγ生成による機能性T細胞アッセイにおいて同定された。複数のサンプルにおけるより詳細な解析により、CD3+ CD8+ IFNγ+ CD69+ CD45RA+表現型が、直接腫瘍細胞破壊を介在することができるエフェクターT細胞小集団の指標として明らかにされた。エフェクター細胞の潜在性を有する自発的TAA特異的T細胞応答は、腫瘍細胞を破壊することができ、そして在住疾患を除去し、腫瘍の進行を防止するであろう。] [0056] ある実施態様において、本発明は、癌を治療または予防するためのワクチンの形態にある、哺乳動物における保護免疫応答を引き起こすであろう1つ以上のTAAと接合したMDP/DNA-微粒子の使用が考慮される。TAAは、MDP/DNA-微粒子と共投与されてよく、その場合、TAAは、微粒子の表面に接合されているのが好ましく、あるいはいずれかの順番で順次投与されてもよい。] [0057] 本発明のMDP/DNA-微粒子組成物は、自己腫瘍ワクチン、ならびに、CEA、CA19-9、CA125、EP-CAM、her-2/neu、メラノーマ抗原GM2からなるワクチンを含む癌ワクチン候補を送達し、それにより種々の腫瘍性疾患に対する予防および治療が可能になる。さらに、本発明のMDP/DNA-微粒子組成物を使用して、すでに存在する腫瘍性疾患を治療することができ、あるいは慣用的な癌治療と併用することができる。本発明の組成物により、完全にまたは部分的に、慣用的な癌治療に関連する相当な不利益を回避することができる。] [0058] 発明のMDP/DNA-微粒子における有利な物理化学的特性のいくつかは、ペプシンおよび極端なpHによる処理、ならびに変性条件に抵抗性であることである。特に、MDP/DNA-微粒子は、a) pH 3.5でペプシン処理、b)周辺温度で1より小さいおよび11より大きいpH、ならびにc) 6 M尿素または6 Mグアニジン塩酸中の変性条件に抵抗性である。] [0059] 本願発明がいかに作用するかに関していかなる理論に制限されることを望むことなく、出願人は、広範囲の腫瘍を治療するMDP/DNA-微粒子の能力は、骨髄性樹状細胞および形質細胞様樹状細胞クロストーク、ならびにサイトカイン生成の上昇制御およびレセプター調節の確立に介在される、ナチュラルキラー細胞(NK)およびナチュラルキラーT細胞(NKT)の実証可能な活性化に起因すると考える。そしてこれは、微粒子の特定の構造および組成物、特には微粒子の構造内における微生物デオキシリボ核酸の存在により仲介されると考えられる。そのような刺激性活性は、NKおよびNKT細胞が、固形腫瘍の外科的除去後に特定の腫瘍疾患の転移性拡大を制御する際に役割を果たすことが示されているように、有利である。] [0060] 本発明は特に、非限定的な実施例を参照して記載されるであろう。本発明を示す本明細書において使用される in vitroおよびin vivoモデルは、試験組成物の抗腫瘍活性を示す許容された能力に基づいて選択される。] [0061] 実施例1−MDP/DNA-微粒子の調製 Propionibacterium aciniから単離したムラミールジペプチド(MDP)の複数の繰り返しにより、本実施例のMDP/DNA-微粒子担体複合体のコア構造を形成した。好ましいモノマーサブユニットの化学組成物を、以下に示す。] [0062] ] [0063] MDPは良く知られた免疫刺激特性を有し、免疫機能を増大させるその効果を測定するように設計される研究において特に良く評価されている。現在までに、天然資源より単離されたMDPと、合成MDPの両方は、哺乳動物に投与される場合顕著な毒性を示すことに関連付けられてきた。この毒性は、アジュバントとしてのMDPの有効性を制限してきた。] [0064] 毒性成分を有さない、MDPおよび関連する微生物DNA断片を単離するための方法が、本明細書において提供される。Propionibacterium acnesを、当業者に公知の方法を使用して、準定常増殖フェーズに増殖させ、洗浄して微生物培養起源の汚染物を除去した。細胞壁および細胞質中に含まれる疎水性成分を、上昇させた温度で、増加する濃度のエタノール/イソプロパノール/水(10%:10%:80%、25%:25%:50%および40%:40%:20%)で連続的に洗浄することにより、順に抽出した。その後、イソピルアルコールを、上昇させた温度で、減少する濃度のエタノール(80%、50%、40%および20%)で連続的に洗浄して除去した。その後、得られたMDP/DNA-微粒子を、6 Mグアニジン塩酸中に懸濁させ、その後灌漑様の水の中で洗浄し、その濃度を、濁度標準の吸収に対する540nmの吸収を測定することにより、測定した。MDP/DNA-微粒子の濃度を、保存および後の使用のために、10 mg/mLに調整した。] [0065] この調製の解析により、ムラミールジペプチドが、1ミクロンから3ミクロンの範囲で優勢な微粒子サイズにある微生物DNAと強く架橋していることが示された。MDP/DNA-微粒子は、アミノ連結L-アラニン-D-イソグルタミンジペプチド、および生物活性成分として微生物DNA断片を有するムラミール酸を含む。そのような微粒子を、上記のように天然資源より単離することができ、あるいは公知の合成方法を使用して合成することができる(例えば、Liu G.; Zhang S.-D.; Xia S.-Q.; Ding Z.-K. Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 10 (12), 2000, pp. 1361-1363(3); Schwartzman S.M., Ribi E., Prep Biochem. 1980; 10(3): 255-67; Ohya et al. Journal of Bioactive and Compatible Polymers, 1993; 8: 351-364)。本発明の方法により製造したMDP/DNA-微粒子は、広範囲のサイズ(例えば、0.011-30ミクロン)を有することができるが、好ましいサイズは、0.5-3ミクロンの範囲である。] [0066] 実施例2−リガンドおよび免疫原のMDP/DNA-微粒子に対する共有結合接着 リガンドおよび免疫原のMDP/DNA-微粒子に対する共有結合接着を、還元的アミノ化を使用して達成することができる。当業者は、安定なカルボニル基を、MDP/DNA-微粒子、リガンド/免疫原を含む炭水化物上、あるいはデキストラン、ポリエチレングリコール、または炭水化物をメタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化することによるマニンブリッジ上に生成することができる。この結果、その後、特定のTLRリガンドに存在するアミノ基、および免疫原と自発的に反応してシッフ塩基中間体を形成する、安定なカルボニル基(無水物)を形成する。シッフ塩基形成が発生した反応物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加することにより、不安定なシッフ塩基中間体が、化学的に安定な結合(以下を参照)へ完全に還元される。メタ過ヨウ素酸ナトリウムと異なり、シアノ水素化ホウ素ナトリウムは、アルデヒドを非反応性水酸基に逆に還元することを回避するために十分マイルドである。この方法論敵アプローチは、John Wiley & Sons, Inc.により出版されているCurrent Protocols In Immunology; Series Editor: Richard Coico (Cornell University)に記載されている。] [0067] 使用する方法の例は以下の通りである:20%エタノール中のMDP/DNA-微粒子(20 mg)を遠心により沈殿させ、水中に再懸濁し、さらに水で強く洗浄する。その後MDP/DNA-微粒子を沈殿させ、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.05 - 0.5M)中、1 mLあたり50 mgのMDP/DNA-微粒子の濃度で再懸濁し、室温で1時間、酸化反応を実行する。メタ過ヨウ素酸ナトリウムで活性化した後、MDP/DNA-微粒子懸濁物を遠心により沈殿させ、水中に再懸濁し、さらに水で強く洗浄する。メタ過ヨウ素酸ナトリウムの濃度、および反応時間を変動させて、酸化中にMDP/DNA-微粒子、リガンド、免疫原、または類似物中に生成する活性部位の数を制御することができる。活性化MDP/DNA-微粒子は、MDP/DNA-微粒子あたり、少なくとも1個の対象免疫原またはリガンド分子、好ましくはMDP/DNA-微粒子あたり10から100分子の対象免ペプチドまたはリガンド分子、最も好ましくはMDP/DNA-微粒子あたり100から1000分子の対象免ペプチドと反応し、共有結合的に結合するであろう。高活性MDP/DNA-微粒子を調製するために、最終濃度0.5 Mのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを使用し、酸化反応を1時間実行する。好ましいメタ過ヨウ素酸ナトリウムの濃度は、5から30 mMである。] [0068] その後メタ過ヨウ素酸ナトリウム酸化に続いて、MDP/DNA-微粒子を沈殿させ、強く洗浄してメタ過ヨウ素酸ナトリウムを除去する。その後活性化MDP/DNA-微粒子を。重炭酸ナトリウムバッファー(0.1 M pH 9.5)中の、所望の免疫原またはリガンド(例えば、20:1 w/wの比率にある>1 mg/mLのTLR9またはNOD2)中に再懸濁し、18から24時間(周辺温度で)インキュベートする。反応生成物を遠心し、中間体シッフ塩基を介してMDP/DNA-微粒子に連結した免疫原/リガンドをいまや含む沈殿物を還元して、MDP/DNA-微粒子と疫原/リガンドとの間の安定な共有結合を形成する。無数の還元剤を使用することができ、重炭酸ナトリウムはこの目的に使用される典型的な還元剤の例である。シッフ塩基の還元に続いて、MDP/DNA-微粒子−疫原/リガンド接合体を沈殿させ、所望の疫原/リガンド濃度にある所望のワクチンバッファー中で洗浄し、再懸濁させる。] [0069] MDP/DNA-微粒子に対する免疫原またはリガンドの共有結合は、使用するならば、二官能性架橋リンカーを介して生成することができる。] [0070] ホモ二官能性イミドエステル架橋リンカー介在カップリング DMA、DMPおよびDMS(以下を参照)は、水溶性で、膜透過性であり、ホモ二官能性イミドエステル架橋リンカーである。イミドエステル官能性基は、一次アミンの修飾に利用可能な最も特異的なアシル化基の一つであり、タンパク質/リガンド中の他の求核基に対して最小の架橋反応性を有する。さらに、イミドアミド反応生成物は、タンパク質の全体の電荷を変動させず、潜在的にタンパク質/リガンドの天然のコンフォメーションおよび活性に関連する。タンパク質/リガンドの接合体を、最初にMDP/DNA-微粒子を、立体阻害を回避するために必要なスペーサーアーム長に基づいて、以下の3つより選択される所望のイミドエステル架橋リンカーとインキュベートする、二工程反応を介して達成する。] [0071] ] [0072] MDP/DNA-微粒子上に存在する遊離アミノ基を最初に、0.2 MトリエタノールアミンpH 8.0(反応バッファー)中に溶解させた、20倍過剰モルの架橋リンカーとインキュベートすることにより飽和させる。反応混合物を室温で30分間インキュベートし、過剰の架橋リンカーを、遠心および反応バッファーで洗浄(3回)することにより、完成したMDP/DNA-微粒子から除去する。活性化MDP/DNA-微粒子を、所望のリガンドを含む反応バッファー中に再懸濁する。反応混合物を室温で1−2時間インキュベートし、MDP/DNA-微粒子−リガンド接合体を沈殿させ、生理食塩水グリシンバッファー(0.05 MグリシンpH 6.5, NaCl 0.9%)で(3回)洗浄し、サイトカイン誘導アッセイにより生物活性を測定する。同様の比率にある微粒子および免疫原/リガンドを、上述のように、還元性活性結合法(reductive animation attachment method)に使用した。] [0073] 活性のメカニズムに制限されないが、MDP/DNA-微粒子−免疫原/リガンドは、選択的な細胞取り込み、タンパク質半減期、およびMHC免疫応答を介した抗原提示に影響を及ぼすことにより、免疫原性に影響するであろうことに注意すべきである。、1つ以上の対象免疫原/リガンドによる免疫化が望ましい場合、対象免疫原/リガンドMDP/DNA-微粒子接合体のカクテルを、カクテルに導入される各対象免ペプチドの免疫原性を最適化する比率で個々の接合体を混合することにより、調製することができる。この形態において、単一の抗原提示/応島細胞による抗原提示を増大させるために十分な免疫原が、各微粒子接合体に利用可能である(100-1000免疫原-リガンド/微粒子)。対象免疫原/リガンドの免疫原性/活性を、MDP/DNA-微粒子担体あたりの対象ペプチドの数、ならびに所望であれば、所望の免疫応答を達成するためのワクチンカクテル中の免疫原の比率の両方を調整することにより、最適化することができる。この形態において、抗原提示細胞による抗原プロセシングにより、高濃度の、通常100より多い、より頻繁には500より多いペプチドが、MHC相互作用を介して抗原提示細胞の細胞表面に提示される。] [0074] 他の結合法は、マレイミド接合体化合物を使用してよい。マレイミド結合を、スルホ−SMCC (Pierce)またはスルフヒドリル結合に適する他のリンカーを使用する標準プロトコールによるスルホ修飾スルホスクシニミジル-4-シクロヘキサン-1-カルボン酸を使用して実行してよい。] [0075] 実施例3−末梢血単球、形質細胞様樹状細胞(pDCs)、および骨髄性樹状細胞(mDC)による蛍光標識MDP/DNA-微粒子(MIS)の内部化 全血を、50、25、10または1 μg/mLのAlexaFluor 488 (Invitrogen)標識MDP/DNA-微粒子(試薬とともに供給される標準プロトコルにより、自家製で作製)と、37oCで30分間インキュベートした。一連の蛍光抗体(Becton Dickinson)で細胞をラベル化した後、単球、形質細胞様樹状細胞、および骨髄性樹状細胞(DC)のフローサイトメトリー解析を実行した。細胞を、CD45、BDCA-1、BDCA-2、系統マーカーおよびCD14発現に基づきゲート化した。AF488-MDP/DNA-微粒子(MIS)を内部化した各小集団のパーセンテージを、図1に示す] 図1 [0076] 実施例4−ヒトPBMCのMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激は、抗腫瘍サイトカインIFN-α、TNF-αおよびIL-12p70を生成する ヒトPBM(106/mL)を、LPS(E coli; 100 ng/mL)、PMA (1 nM) +イオノマイシン(Ionomycin) (100 ng/mL)(両方ともIFN-α生成に対するネガティブコントロール)、あるいはMDP/DNA-微粒子(10および1 μg/mL)と、96時間培養した。製造者の標準プロトコール(Bender MedSystems)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、上清を分泌IFN-αについてアッセイした。図2は、MDP/DNA-微粒子が、投与量に応答して、IFN-αを誘導することを示す。] 図2 [0077] 実施例5−MDP/DNA-微粒子によるIFN-αの誘導は、拡散に対する最初の細胞性センサーであることが知られている、形質細胞様樹状細胞により選択的に仲介される ヒトpDCを、BDCA-2+細胞の磁気ビーズ選択を使用して、高純度かつ高生存度でPBMCより精製した。ソート化したpDCを、組換えヒトGM-CSF(200 U/mL)およびIL-3 (10 ng/mL)、ならびに無刺激性熱殺菌Streptococcus aureus (HKSA; 1 x 108粒子/mL)、モノマーMDP (20 μg/mL)、TLR9型Cリガンド(CpGODN M362; 0.1 μm)、またはMDP/DNA-微粒子(10 μg/mL)のいずれかの存在下で24時間培養した。ヒトPBMC (106/mL)培養を並行して開始した。96時間で上清を回収し、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ法を使用してIFN-α含量をアッセイした。図3Bに示すように、pDCを富化することにより、MDP/DNA-微粒子刺激PBMC由来の上清で検出されるものに比較して、MDP/DNA-微粒子刺激後のIFN-α分泌量が実質的に増大する。] 図3B [0078] 実施例6−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の22時間後の単球TNFα生成の誘導 ヒトPBMC(106/mL)を、20、10、5および1 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と22時間培養した。タンパク質輸送インヒビター(ブレフェルジンA)を、培養の最後の6時間の間添加し、サイトカイン蓄積を可能にした。細胞を、固定可能なバイオレットライブ/デッド染色(Invitrogen)で標識化し、洗浄しその後Cytofix/Cytoperm (Becton Dickinson)を使用して固定/透過化し、その後抗TNF-α-APC-Cy7モノクローナル抗体(Becton Dickinson)で標識化した。生存可能な単球を、FSC-v-高SSCゲーティングと組み合わせたライブ/デッド染色排斥に基づいて、同定した。図4Bに、全てのMDP/DNA-微粒子濃度における、TNF-αを発現するゲート化生存単球の比率を決定した。TNF-αを発現する生存単球の最大比率は、20 μg/mLのMDP/DNA-微粒子における73.8%である。] 図4B [0079] 実施例7−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激後のヒトPBMCNK早期活性化抗原発現の上昇 ヒトPBMC (106/mL)を、10、5および1 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と培養した。既知のNK細胞活性剤IL-2 (500 U/mL)を、アッセイのポジティブコントロールとした。培養18時間後、PBMCNK活性化状態を、蛍光抗体(CD3, CD56 and CD69; Becton Dickinson)標識化細胞のフローサイトメトリー解析により決定した。生存NK細胞を、ヨウ化プロピジウムCD3- CD56+表現型に基づきゲート化し、CD69活性化抗原発現を、ゲート化集団に基づき決定した。MDP/DNA-微粒子の存在下または非存在下においてCD69を発現するNK細胞のパーセンテージを示す領域を、図5に示す。] 図5 [0080] 実施例8−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激の40時間後に精製NKおよびNKT細胞によるIFNγ、GM-CSFおよびTNF-αの生成 ヒトCD56+細胞を、NK細胞(CD56+CD3-) およびNKT細胞(CD56+CD3+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズ(Miltenyi)を使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞(7.5 x 105/mL)を、刺激なし、IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、またはMDP/DNA-微粒子 (20、10、5および1 μg/mL)で培養した。製造者の標準プロトコール(Bender MedSystems)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、上清をIFN-γ、TNF-αおよびGM-CSFについてアッセイした。図6に示すように、MDP/DNA-微粒子は、明確に、抗腫瘍性サイトカインIFNγおよびTNFα、ならびに癌細胞を殺す有効な免疫応答を身体が構築するのを助けてよいGM-CSFの生成を刺激する。] 図6 [0081] 実施例9−精製NKおよびNKT細胞によるMDP/DNA-微粒子(MIS)刺激は、腫瘍殺傷量のFAS-L放出をアップレギュレートする ヒトCD56+細胞を、製造者の標準プロトコル(Miltenyi)に従って、NK細胞(CD56+CD3-) およびNKT細胞(CD56+CD3+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズを使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞を、106/mLで、刺激なし、既知のNK活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、ポリI:C (50μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(20、10、5、1、0.5および0.1μg/mL)で培養した。20時間培養後、無細胞上清を回収し、図7Aに示すように、製造者の標準プロトコル(Becton Dickinson)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、可溶性FAS-Lについてアッセイした。その後MACS精製CD56+細胞を、IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、ポリI:C (50 μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(10 および1μg/mL)と69時間培養した。無細胞上清を回収し、1/2または1/4希釈上清と、DiD (Invitrogen)蛍光標識FAS感受性Daudi腫瘍標的を4時間培養することにより、FAS介在細胞毒性について試験した。Daudi細胞殺傷を、ゲート化蛍光腫瘍標的の、生存染色(ヨウ化プロピジウム、Invitrogen)取り込み(ライブ/デッド識別)のフローサイトメトリー決定により決定した。図7Bに示すように、MDP/DNA-微粒子刺激細胞−培養上清は、IL-2、IL-12またはポリI:Cで刺激した細胞の上清よりもはるかに高いパーセンテージのDaudi細胞を殺傷した。] 図7A 図7B [0082] 実施例10−NK感受性K562(赤白血病)およびDU-145(前立腺)、ならびにFAS-L感受性Daudi(ブルキッツのリンパ腫)およびT47D(乳癌)腫瘍細胞標的に対する、ヒトPBMC自発的殺傷活性の、MDP/DNA-微粒子(MIS)が介在する上昇 ヒトPBMC (106/mL)を、20、および5 μg/mLのMDP/DNA-微粒子と培養した。既知のNK細胞活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、およびTLR3リガンド、ポリI:C (50 μg/mL)を、アッセイのポジティブコントロールとした。46時間の培養後、活性化PBMCを新鮮な培地中で洗浄し、100:1のエフェクター:標的比率で蛍光標識(DiD; Invitrogen)腫瘍標的細胞に対する細胞毒性について試験した。腫瘍細胞殺傷を、4時間後、ゲート化蛍光腫瘍標的の、生存染色(ヨウ化プロピジウム、Invitrogen)取り込み(ライブ/デッド識別)のフローサイトメトリー決定により決定した。図8より、MDP/DNA-微粒子刺激が、NK感受性K562(赤白血病)およびDU-145(前立腺)、ならびにFAS-L感受性Daudi(ブルキッツのリンパ腫)およびT47D(乳癌)腫瘍細胞標的に対する、ヒトPBMC自発的殺傷活性を上昇させることを見ることができる。] 図8 [0083] 実施例11−MDP/DNA-微粒子(MIS)による刺激後の精製ヒトNK自発的殺傷活性 ヒトCD56+細胞を、製造者の標準プロトコル(Miltenyi)に従って、NK細胞(CD56+CD3-) およびNKT細胞(CD56+CD3+)の両方を単離する、MACSポジティブセレクションビーズを使用して、99%の純度で全血より精製した。その後精製細胞を、7.5 x 105/mLで、刺激なし、既知のNK活性剤IL-2 (500 U/mL)、IL-12 (50 ng/mL)、 IFN-α (500および2000 U/mL)、ポリI:C (50μg/mL)、またはMDP/DNA-微粒子(40、20、10、および5 μg/mL)で培養した。40時間培養後、活性化NK細胞を新鮮な培地中で洗浄し、5:1, 2:1および1:1のエフェクター:標的比率で蛍光標識(DiD; Invitrogen)NK感受性K562腫瘍標的に対する細胞毒性について試験した。腫瘍細胞殺傷を、4時間後、ゲート化蛍光K562標的の、生存染色取り込み(ヨウ化プロピジウム)のフローサイトメトリー決定により決定した。図9より、腫瘍細胞殺傷が、試験した全ての比率において、MDP/DNA-微粒子でNK細胞を刺激した場合により大きいことを見ることができる。] 図9 [0084] 実施例12−MDP/DNA-微粒子(MIS416)は、転移性乳癌およびルイス肺腫瘍モデルにおいて、単独薬剤または共治療剤として、抗転移活性を有する 腫瘍は、乳房脂肪体(Balb/C;メス)に注入された、培養乳癌4T1細胞より確立された。接種48時間後、MDP/DNA-微粒子の単独250μgボーラスを、点滴投与した。表面肺転移の数を、実験の最後(23日目)に決定した(図10A)。統計的有意性について、*は対照に対する統計的有意性を示す(P<0.044;非ペア片側検定)。メスC57Bl/6マウス(グループあたり10匹)に、106個のルイス肺腫瘍細胞を静脈内注射した(図10B)。腫瘍細胞注射の4日後、以下のスケジュールで治療を開始した。(i)治療なし、(ii)MDP/DNA-微粒子(MIS416)のみ、50μg、(iii)5、6、および7日目に4Gy肺照射、(iv)50μg MDP/DNA-微粒子(MIS416)プラス5、6、および7日目に4Gy肺照射。生理食塩水中のMDP/DNA-微粒子(MIS416)を、点滴経路により投与した。14日目、肺のコロニーを除去し、肺のコロニーについて評価した。統計的有意性について、*は対照に対する統計的有意性を示し(P<0.0006;非ペア片側検定)、*は個々の治療に対する統計的有意性を示す(P<0.0001)。これらの実験は、MDP/DNA-微粒子治療薬が、解剖学的に離れた部位に発生する無関係の腫瘍塊に起因する自発的肺転移の形成を阻害することを示す。これらの実験はまた、肺における転移の確立の直後、直接に投与される場合に、MDP/DNA-微粒子治療薬が、肺転移の成長を阻害するものであることを示す。さらに、肺転移成長の阻害に対する、局所放射線治療とMDP/DNA-微粒子の共治療の間に、相乗効果が示される。これは、固有の免疫刺激を含む組み合わせ抗腫瘍レジメンにより、治療結果を改善することができることを示している。] 図10A 図10B [0085] 実施例13−MDP/DNA-微粒子(MIS416)治療により、Bl6-OVA治療ワクチンモデルにおける、内在性腫瘍関連抗原(OVA)に対する細胞性免疫応答を誘導する 同系C57/Bl6マウスを、Bl6-OVA細胞(マウスあたり1x106個)で移植し、腫瘍を直径4-5 mmまで成長させた。MDP/DNA-微粒子を、単独50μgボーラスの点滴送達により、8日目に投与した。治療後20日に、脾臓を切除し、抗原再刺激アッセイを、EL4-MARTおよびB16-OVA腫瘍細胞、ならびに可溶性OVAペプチドに対して実行した(図11)。IFN-γ分泌細胞のELISPOT定量化を、IFN-γ発現細胞毒性CD8+ T細胞の測定として実行した。OVAテトラマー結合アッセイにより、このモデルにおいて脾臓OVA特異的CD8+ T細胞の頻度が上昇していることが確認されている。MDP/DNA-微粒子治療により、非処理または無関係の対照に対してIFN-γ OVA特異的T細胞の頻度が有意に増大した(*は、対照に対する統計的有意性を表す(P<0.005;非ペア片側検定)。これらの実験は、MDP/DNA-微粒子治療が、腫瘍関連抗原に選択的に応答する適応性免疫応答の誘導を補助する、免疫刺激性のアジュバント特性を有することを示す。これらのタイプの応答は、一次および/または転移疾患の再発生を防止する自己腫瘍に対する適応性、保護免疫を発達させるために、これは望ましい。] 図11 [0086] 実施例14−OVA-MDP/DNA-微粒子(MIS416)免疫接合体は、適応移植OT-1 CD8+細胞の末梢発現を誘導し、予防腫瘍ワクチンモデルにおける抗腫瘍免疫の誘導する (A) 同系精製CD8+ OT-I細胞を、25μgのOVA、25μgのOVA- MDP/DNA-微粒子(MIS416) 免疫接合体、または200 ngのα-ガラクトセラミドと混合した25μgのOVAで、点滴送達後、点滴免疫化によって、一群のマウス(C57/Bl6; n=10)に適応移植した。末梢血を、免疫化後、35日まで種々の時間にサンプリングした。OT-I細胞の発現を、CD8+CD45.1+Vα2+表現型(OT-I特異的)を有するT細胞に対するフローサイトメトリーを使用して決定した(図12A)。免疫化後36日に、106個のB16-OVA腫瘍細胞を皮下注射し、腫瘍成長をモニタリングした(図12B)。これらの結果は、MDP/DNA-微粒子−腫瘍抗原免疫接合体の前処理により、保護性Th1型免疫応答が誘導されることを示す。これらの応答は、腫瘍拒絶に関連する。] 図12A 図12B [0087] 実施例15−in vitroおよびin vivoでMDP/DNA-微粒子で処理することにより、免疫補充および機能再構成の中心である成長因子が生成する 健康なドナーPBMCを、5μg/mLのMDP/DNA-微粒子と、セ氏37度の温度で6時間インキュベートした。非刺激細胞培養物を、対照として確立した。PBMC由来の全RNAを、ROCHERNAエクストラクションキットを使用して抽出し、cDNAをまたROCHE cDNA合成キットを使用して合成した。このcDNAを、96穴フォーマットで個々のウェルにコートされたプライマーと注入した。リアルタイム定量PCRをヒト遺伝子の範囲で実行し、蛍光を測定した。非刺激および刺激画分の間の差異発現を決定することにより、各遺伝子発現に対する倍数変化を算出した。増大倍数変化は、アップレギュレーションを反映している。IL-3、IL-7およびCSF2 (GMCSF)のアップレギュレーションを検出した(図13A)。単独500μgボーラスのMDP/DNA-微粒子を点滴投与した後、24および48時間後に末梢血血清を回収した。製造者の標準プロトコル(Becton Dickinson)に従って、フローサイトメトリーサイトカインビーズアレイ技術を使用して、IL-7およびGMCSFの濃度を決定した(図13B)。] 図13A 図13B 実施例 [0088] 本発明は、ある特定の実施態様および実施例を参照して記載されているが、本発明の精神を維持する変形、および本明細書における開示もまた考慮されることが理解されるであろう。]
权利要求:
請求項1 微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患の治療が必要な被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を治療する方法。 請求項2 微粒子を、腫瘍細胞成長および/または増殖を阻害するために有効な、あるいは腫瘍細胞損傷および/または破壊に有効な免疫細胞小集団を刺激することができる、微粒子に、または微粒子内に結合した、少なくとも一つの免疫刺激性リガンドと組み合わる、請求項1に記載の方法。 請求項3 免疫刺激性リガンドが、一種以上の分子パターン認識レセプターファミリーより選択される、または免疫刺激性糖脂質抗原である、請求項1または2に記載の方法。 請求項4 分子パターン認識レセプターリガンドが、TLR1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、NOD-1およびNOD-2のうち一つ以上から選択され、かつ糖脂質抗原がα-GalCerまたはそのアナログである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 請求項5 免疫刺激性リガンドが、微粒子の表面上、または微粒子内に架橋されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 請求項6 微粒子が、インターロイキン−2(IL-2)により誘導される効果と重複した免疫刺激効果を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 請求項7 微粒子が、インターフェロンアルファ(IFNα)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン−12(IL-12)およびTNFαから選択される抗腫瘍サイトカインの生成を刺激する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 請求項8 腫瘍性疾患が、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、骨髄腫、白血病、リンパ腫または混合型から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 請求項9 腫瘍性疾患が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、悪性線維性組織球腫、血管肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、中皮腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞腫、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、扁平上皮癌、扁平上皮癌、腺癌、肝細胞癌、腎細胞癌、副腎腫、胆管癌、移行上皮癌、絨毛癌、セミノーマ、胚細胞癌、神経膠腫、未分化多形性膠芽腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、悪性髄膜腫、悪性髄膜腫、悪性神経鞘腫、神経線維肉腫、甲状腺癌、甲状腺、気管支カルチノイド、燕麦細胞癌、悪性褐色細胞腫、膵島細胞癌、悪性カルチノイド、悪性傍神経節腫、メラノーマ、悪性神経鞘腫、メルケル細胞腫瘍、葉状嚢肉腫、髄様癌、ウィルムス腫瘍、未分化胚細胞腫、網膜芽細胞腫および奇形癌から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 請求項10 抗腫瘍疾患を治療するための一種以上の他の抗腫瘍剤を投与することをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。 請求項11 他の抗腫瘍剤が、アルキル化剤、例えばシスプラチン,カルボプラチン、ブスルファン、クロランブシルおよびカルムスチン;抗代謝剤、例えばアザチオプリンおよびメルカプトプリン;アルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシンおよびタキソール;I型またはII型トポイソメラーゼインヒビター;抗生物質、例えばダクチノマイシン、ブレオマイシンおよびドキソルビシン、あるいはホルモン、ならびにサイトカイン、例えばIL-2、IFNγ、GM-CSF、TNFαまたはIFN-αより選択される、請求項10に記載の方法。 請求項12 微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患の治療が必要な被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者における転移疾患を治療する方法。 請求項13 微粒子中に架橋したムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患の治療が必要な被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者における腫瘍認識レセプターおよび/または腫瘍免疫原性を制御する方法。 請求項14 微粒子が、腫瘍細胞上のMHCクラスI分子および非MHC抗原のアップレギュレーションにより、腫瘍認識レセプターおよび/または腫瘍免疫原性を制御する、請求項13に記載の方法。 請求項15 抗腫瘍ワクチン、および微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患を有する被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者に投与される抗腫瘍ワクチンの効率を上昇させる方法。 請求項16 ワクチンおよび微粒子を、同時に、または順次被験者に投与する、請求項15に記載の方法。 請求項17 微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患の治療が必要な被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者におけるNKおよび/またはNKT細胞活性を促進する方法。 請求項18 微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを、腫瘍性疾患の治療が必要な被験者に投与することを含む、腫瘍性疾患を有する被験者におけるサイトカイン、ケモカイン、および細胞毒性タンパク質の放出を刺激する方法。 請求項19 サイトカイン、ケモカイン、および細胞毒性タンパク質が、IL-2、IFNγ、IFNα、GM-CSF、TNFα、TRAILおよびFasLから選択される、請求項18に記載の方法。 請求項20 微粒子が、末梢血形質細胞様樹状細胞(pDCs)からのIFNαの分泌を刺激する、請求項19に記載の方法。 請求項21 微粒子が、単球からのIFNαの分泌を刺激する、請求項19に記載の方法。 請求項22 微粒子を、腫瘍特異的免疫応答を刺激することができ、微粒子に、または微粒子中に結合した一つ以上の腫瘍関連抗原と組み合わせる、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。 請求項23 腫瘍関連抗原が、自己腫瘍細胞、CEA、CA19-9、CA125、EP-CAM、her-2/neu、メラノーマ抗原、およびGM2から選択される、請求項22に記載の方法。 請求項24 薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、核酸を含む微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを含み、抗腫瘍活性を有する、薬剤組成物。 請求項25 核酸が微生物DNAである、請求項24に記載の薬剤組成物。 請求項26 腫瘍細胞損傷および/または破壊に有効な免疫細胞小集団を刺激することができる一つ以上のリガンド、ならびに任意に薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、核酸を含む微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを含み、抗腫瘍活性を有する、薬剤組成物。 請求項27 一つ以上の腫瘍関連抗原、ならびに任意に薬学的に許容可能な担体と組み合わせて、核酸を含む微粒子中に架橋した有効量のムラミールジペプチドを含み、抗腫瘍活性を有する、薬剤組成物。 請求項28 DNAを含む微粒子中に架橋したムラミールジペプチドを含む、組成物。 請求項29 腫瘍疾患または転移疾患を治療するための医薬を製造するための、微粒子中に架橋したムラミールジペプチドの使用。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题 Anguille et al.2015|Dendritic cells as pharmacological tools for cancer immunotherapy Temizoz et al.2016|Vaccine adjuvants as potential cancer immunotherapeutics US9308244B2|2016-04-12|Combination therapy using active immunotherapy Fend et al.2017|Immune checkpoint blockade, immunogenic chemotherapy or IFN-α blockade boost the local and abscopal effects of oncolytic virotherapy JP2018127462A|2018-08-16|Vaccine composition containing 5 'end-capped RNA Weigel et al.2003|CpG oligodeoxynucleotides potentiate the antitumor effects of chemotherapy or tumor resection in an orthotopic murine model of rhabdomyosarcoma Pradhan et al.2014|The effect of combined IL10 siRNA and CpG ODN as pathogen-mimicking microparticles on Th1/Th2 cytokine balance in dendritic cells and protective immunity against B cell lymphoma Ko et al.2010|Targeting improves MSC treatment of inflammatory bowel disease JP6134763B2|2017-05-24|GM−CSF及びインターフェロンαを用いて生成され、且つ熱処理され死滅したがん細胞を取り込んだ樹状細胞 US20180117171A1|2018-05-03|Immunoconjugates for programming or reprogramming of cells Nierkens et al.2011|Immune adjuvant efficacy of CpG oligonucleotide in cancer treatment is founded specifically upon TLR9 function in plasmacytoid dendritic cells Koyama et al.2015|Donor colonic CD103+ dendritic cells determine the severity of acute graft-versus-host disease Huang et al.2012|Targeted delivery of oligonucleotides into tumor-associated macrophages for cancer immunotherapy den Brok et al.2006|Synergy between in situ cryoablation and TLR9 stimulation results in a highly effective in vivo dendritic cell vaccine JP5730577B2|2015-06-10|樹状細胞の作製方法 Schäkel et al.2006|Human 6-sulfo LacNAc-expressing dendritic cells are principal producers of early interleukin-12 and are controlled by erythrocytes Tacken et al.2011|Targeted delivery of TLR ligands to human and mouse dendritic cells strongly enhances adjuvanticity Kortylewski et al.2009|In vivo delivery of siRNA to immune cells by conjugation to a TLR9 agonist enhances antitumor immune responses Salem et al.2009|Recovery from cyclophosphamide-induced lymphopenia results in expansion of immature dendritic cells which can mediate enhanced prime-boost vaccination antitumor responses in vivo when stimulated with the TLR3 agonist poly | JP4846200B2|2011-12-28|Immunostimulatory G and U-containing oligoribonucleotides Navabi et al.2009|A clinical grade poly I: C-analogue | promotes optimal DC maturation and Th1-type T cell responses of healthy donors and cancer patients in vitro Kim et al.2018|Polymeric nanoparticles encapsulating novel TLR7/8 agonists as immunostimulatory adjuvants for enhanced cancer immunotherapy US9770467B2|2017-09-26|Compositions and methods for cancer immunotherapy US6586243B2|2003-07-01|Directed maturation of CD34 negative stem cells to programmable antigen presenting cells Xia et al.2015|Porous silicon microparticle potentiates anti-tumor immunity by enhancing cross-presentation and inducing type I interferon response
同族专利:
公开号 | 公开日 EP2271352A4|2014-01-15| AU2009232504B2|2013-04-04| US9950025B2|2018-04-24| WO2009123481A1|2009-10-08| EP2271352A1|2011-01-12| US20160354424A1|2016-12-08| CA2719216A1|2009-10-08| US9415061B2|2016-08-16| BRPI0906311A2|2016-07-05| US20110165250A1|2011-07-07| CA2719216C|2016-01-19| AU2009232504A1|2009-10-08| JP5662309B2|2015-01-28| CN102149391A|2011-08-10|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-23| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120322 | 2013-08-07| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130806 | 2014-05-27| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140526 | 2014-09-26| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140925 | 2014-10-14| A911| Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20141010 | 2014-11-04| TRDD| Decision of grant or rejection written| 2014-11-11| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141110 | 2014-12-11| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141204 | 2014-12-12| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Ref document number: 5662309 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 | 2017-11-28| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2018-10-30| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 | 2019-12-12| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
[返回顶部]
申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
Sulfonates, polymers, resist compositions and patterning process
Washing machine
Washing machine
Device for fixture finishing and tension adjusting of membrane
Structure for Equipping Band in a Plane Cathode Ray Tube
Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
国家/地区
|